【報告】2/24 浦安市災害ボランティアセンター・ニーズ聞き取り訓練
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最終更新日:2019/03/28
災害時体制移行訓練
2月24日、若潮公園・交通公園にて、浦安市災害ボランティアセンターの移行・運営訓練を行いました。若潮公園・交通公園は、災害発生時に災害ボランティアセンターの設置が予定されている場所です。今年度は、災害ボランティアの受入・対応訓練ではなく、被災された方のお困り事(ニーズ)の聞取りを中心とした訓練を実施しました。これは、発災時、被災された方の目に見えやすいニーズだけでなく、生活課題などの潜在的なニーズを見いだすためのものです。
支部社会福祉協議会、市、市災害ボランティアセンター運営連携委員会委員(市防災課、市災害ボランティアネットワーク、浦安青年会議所、市・民生委員児童委員協議会、千葉県社会福祉協議会)等、64名の皆さんに参加いただきました。
お困り事の聞取り
訓練は直下型地震により市内に火災も含め大きな被害が出ているという想定のもと行われ、参加者の皆さんは、災害ボランティアセンター窓口・電話や被災者の自宅への訪問という異なる状況で被災者のお困りごとなどを聞きとりました。お困り事の種類は多岐にわたり、目に見え相談しやすい家の片付けや屋根被害、災害ゴミの処分、給水支援、また、ブロック塀が隣の家屋に倒れかかっているなどの相談がありました。しかし、それぞれの方の背景には、表には見えない、地震により子どもが精神的に不安定、血圧や血糖値などの健康問題、地縁組織との関係性などがあり、見逃してはいけない部分までを掘り起こせるかを、訓練目標の一つとしています。
関連団体からの相談対応
また、浦安市災害ボランティアセンター運営連携委員会の構成団体である、市役所や自治会、民生児童委員協議会、浦安青年会議所、地域包括支援センター(富岡は本会受託)からの多岐にわたる相談を聞き取りました。
災害ゴミを自主的に集めた自治会からの集積場への運搬相談や、支援物資の仕分け、民生委員経由の余震対策(つっぱり棒等)依頼など。また本会内の相談として、地域包括支援センターからは、利用者のニーズ把握や成年後見人経由の家屋修繕費用について寄せられました。
ケース会議
ニーズ・相談の聞き取り後、本日の相談内容について、スタッフ全員で全体共有し、災害ボランティアセンターのみでは対応が難しいケース(相談)については、ミニケース会議を開いて対応を検討しました。ニーズとしては、雨漏りの応急処置の相談だが、地震(余震)による不安や血糖値(インシュリン注射)等の健康面での課題を抱えた方のケース、相談としては自宅を片付ける際の乳幼児の一時あずかりだが、子どもたちが母親を震災で亡くし地震の精神的ショックがあるケースでした。聞取り役、被災者役から報告いただき、潜在的なニーズを確認できたか、どの支援先(制度)につなげたらよいかなどを話し合いました。
講評
講評は、浦安市災害ボランティアセンター運営連携会議アドバイザーの李さん(にいがた災害ボランティアネットワーク理事長)より、いただきました。以下、要旨です。
ケース会議について
「片付けお願いします」というお困り事相談の背景にある、心や体、人間関係などの問題を含む多様で複雑なニーズ。自分で言葉に出来るのは、わかりやすい片付け。不安だから心を安定させてくださいとは、なかなか言い出せない。そのあたりの観察ができないと、言われたとおりに書いて(ボランティア)作業手順書になってしまう。どうお話を丁寧に伺い、発言の背景や真意まで考えながら相談にあずかれるか。ニーズ受付票は、作業手順書ではなく、アセスメントシートが良いのではないか。項目も細かいものではなく、身体面、精神面、金銭面、人間関係、生活環境等に絞って、相談の内容と範囲を深められることが出来るように。災害ボランティアセンターで解決できなくてもよい。(今回のケースでいえば)情報をキャッチしたら医療チームなどにつなげればよい。
また、もう一つのケースでは、本人と子どもの支援。似た事例では避難所での介護など。身近な支援者もしんどい。身近な支援者も同時に支援(レスパイト)しないと潰れてしまう。長期的なシングルファーザーとしての再建や仕事の問題がでてくる。しかし、いきなり来た人にそこまで話せるか。支援制度もわからない、将来像は自分もイメージできていない状況。定期的にお話を聞く、頼んだらすぐ来てくれる関係。片付けが終わった後のフォローなど、信頼関係を築いていく。緊急対応と長期対応を考える。片付けも、奥さんの遺品もあるので、大事に片付けていく。喪失感があり気持ちの整理がつかないときもある。急いで捨てなくていいんですよと寄り添えるか。
全体講評
ニーズを受け取って、具体的にどうするか。「こたえる」という時、「応」と「答」がある。「答」の方の「解決してあげなきゃ」となると、例えば、こどもの居場所など、できないから受けられませんになってしまう。「受付できません」と入口で断ってしまうと、被災された方は、行き場所が無くなる。「応」えて「答」を出す。
訓練では、受け止めて記録に残すためにニーズ票に記載した。記録はどうだったか。どう作業したらよいかは記載しやすい。しかし、困り事全体を記載できるシートではなかった。センスの良い対応者なら「電話の声の様子が不安そうでした」など欄外に書く人もいる。ニーズ票は修正しても良いのではと思う。
災害ボランティアセンターで対応できないニーズについては、訓練会場にいる皆さん、青年会議所の方なら、モノや人が出せるかもしれない。ボランティアグループに頼んでくれれば、普段を行っている活動なので、できますよと。たくさん連携すれば色々と情報が入ってくる。お願いできる先を多く作る。災害ボランティアセンターで直営する必要はない。行政の制度を紹介するなどで、「答」えることができる。
今後に向けて
今後、BCP(事業継続計画)訓練も含めて、アンケートも参考に検証し、災害時に多様なニーズへの対応ができるように、備えを進めてまいります。
※訓練終了後、浦安市災害ボランティアセンター拡大運営連携委員会が開かれました。
なお、浦安市のこちらのページにもフォトレポートして訓練の模様が掲載されています。
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